◎兵法経営 今日のポイント
仕事の価値を認識すること。
そうすればレベルを高めざるを得ない。
━━━━ 2015年12月7日「プロフェッショナル仕事の流儀」より ━━
□■□ 本日の注目企業・人
■□■ お客さんの上に立つ 自動車整備士:小山明、博久
□■□ 客が気付かないことも気付き、追求し続ける
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今日は、月曜日の「プロフェッショナル仕事の流儀」で放送された内容
を題材に、広島県福山市で小山自動車という自動車整備工場を経営して
いる自動車整備の達人、小山明さん(72)、博久さん(63)ご兄弟に
関してお届けします。
プロフェッショナル仕事の流儀■1959年、ディーラーに勤めていた父親が独立して創業。
明さんは朝から晩まで休みなしに働いた。
青果市場や運送会社のトラックなど、法人の故障車の整備がメイン。
明さんは無理な値引きを迫られるなどして神経をすり減らした。
博久さんもここで仕事を始めたが、なかなか力になれない・・・
■父親の引退後、明さんは法人相手をやめ、個人に絞った。経営は悪化。
3人いた従業員はゼロに。
「あんちゃんの力になりたい」と博久さんはスポーツカーの整備を
始めた。「腕利きがいる」と評判になり、遠方から客が次々とやって
くるようになった。
■1991年、博久さんの手がけた車が全日本選手権で1位から4位まで独占
するという快挙を成し遂げた。
■博久さんの言葉
「身近にあるもので一番危険なものが車ではないか。そういうものを
直させてもらいよるんで、いい加減なことはできない」
「故障の根本原因は何か。それを突き止めてこそ整備といえる」
「客が気付かないことも気付き、追求し続けてこそプロ」
「どんなボロでもどんな高級車でも、向き合う姿勢は真剣にしたい。
手を抜かない。その仕事に対してお客様から満足してお金を払って
もらえるのがそう(プロフェッショナル)じゃないか」
■明さんは、年に一度しか使わない機械まで、毎朝、丹念に磨いている。
「工場、ものすごう汚のうてたら『うちはええ整備します』言うて、
お客さん、どう思うかです。でしょう? もうそれしかないです」
月に13冊もの専門誌を熟読。車の整備に関する最新情報をつかむこと
が明さんの役割。
「(最新の道具を)何も知らなんだらね、お客さんに迷惑かかる。
お客さんの方がインターネットでよう勉強しとったらいけんでしょ。
やっぱり、お客さんの上に立っとかな」
「当たり前のことを当たり前に、心を込めて。もうそれだけです」
とのこと。それで、↓↓↓
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ナルホド、ナルホド … ピンと来た!(^o^)
⇒ 兵法経営のヒント ⇒ 自分で早速やってみよう!
若い頃、所有していた車を車検に出した1ヵ月後に、
ラジエーターが壊れて車が動かなくなったことがありました。
「車検に出したばかりなのにどうして?」
整備してくれた会社に尋ねたところ、
「車検でラジエーターは見ませんからね」
と冷たいお言葉。
車検時にはタイヤ4本も交換。全部で確か20万円ほどかかったと
記憶していますが、その車は廃車にしました。
小山自動車に出していたら、こうはならなかったでしょう。
車検を担当している兄の明さんは、
・洗車
をすることによって、車の悪いところを発見します。
そして、車検を通る、通らないに関わらず、その悪い部分について
交換したり、修理したりするのです。
車の整備に関する情報収集や道具を揃えるのは明さんの役割。
他の自動車整備工場にない道具も豊富に揃えています。
例えば、輸入車専門のスキャンツール(コンピューター制御の車に
つなぎ、故障を発見する最新の機械)、かすかな音の異常も発見す
る聴診器など。
「お客さんの上に立っとかな」
客が気づかない部分まで気づいて整備しようという、
自負が感じられる言葉です。
故障車の修理を担当している弟の博久さんは、
「直すだけなら、整備とは言わない」
と言います。
ただ直すことはどこの自動車整備工場でもやりますが、
博久さんは、
・そうなった根本原因
を探り、同じ故障を繰り返さないように整備するのです。
また、チューニングや車の改造まで手掛ける博久さんは、
顧客に応じて、より運転しやすい車にすることを提案。
例えば、腕力の弱っている人には、小さな力でサイドブレーキが
ひけるように改造することを提案するのです。
こうして顧客を笑顔にします。
外国車も国産車も、半世紀前のモノも最新のモノもダンプカーも、
どんな車も、
「ここへ持って来たら、完全に新車の状態に戻る」
(一人のお客の話)
という、小さな町の自動車整備工場。
ホームページがなくても、この兄弟の腕は日本中に知られています。
小山自動車
⇒ ホームページはありません
●さて、あなたは、
・あなたの商品の重要性
について認識していますか?
小山博久さんは、
「身近にあるもので一番危険なものが車だからこそ、
いい加減なことはできない」
と言いましたが、
・どんな商品やサービスも、
顧客の人生に影響を与えている
という点では共通です。
「私の商品の場合は、多少いい加減でもいい」
などということは絶対にありません。
そう認識したならば、
・やるべき仕事の基準
は高いレベルに設定せざるを得ないはず。
小山明さんのプロフェッショナル観、
「当たり前のことを当たり前に、心を込めて。もうそれだけです」
という言葉をかみしめましょう。
そのレベルが高いからこそ、月150件の依頼が殺到し、遠方から
同業者が次々と視察に訪れる整備工場になっているのです。
「孫子の兵法」では、
・戦争は国家にとって重要事項
と孫子が認識したことが兵法観の根底にあり、戦略・戦術を考える
もとになっていますが、私たちの仕事も同じです。
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